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ICA京都ウェッブサイトの
出発にあたって
ICA京都ディレクター浅⽥ 彰(あさだ・あきら)
批評家、ICA京都所長
⽇本から世界に出て⾏って、アート教育を受け、アート・シーンで活躍するには、いったいどうすればいいのか。意欲はあっても具体的な⽅法がわからずにいる学⽣や若⼿アーティストは少なくないでしょう。
また逆に、世界でアートを学ぶ学⽣や若⼿アーティスト、あるいは研究者が、⽇本のアート・シーンのことを知り、そこで活躍するアーティストたちにアクセスしようとする場合も、同じ問題があるのではないかと思います。
京都芸術⼤学の Institute of Contemporary Arts Kyoto––略称ICA京都は、アートの創作・展⽰・批評・研究がグローバルに展開されるようになった現代にあって、内外の同様なセンターとネットワークを結びながら、そのような交流を具体的に促進する交換台のような役割を果たすべく、2020年度に創設されました。
そこでは、すでに始まっていた京都芸術⼤学⼤学院グローバル・ゼミを基盤とする国際的なアート教育やアーティストの交流が、いっそう本格化していくことになるでしょう。
他⽅、ICA京都はたんなる情報センターを超えた研究センターとしての機能も果たさねばなりません。京都芸術⼤学では、⽐較藝術学研究センターあらため⼤学院学術研究センターで、さまざまな研究プロジェクトを実施するとともに、公開講座によってその成果を学外の市⺠にも広く公開してきましたし、⼩崎哲哉事務所と協⼒として⽴ち上げたウェッブサイト「Realkyoto」で、京都を中⼼とする芸術⽂化の情報や批評を発信してきました。
これらをひとつにまとめ、外延的な広がりと内包的な深みを兼ね備えた多元的な活動を⾏なおうというのが、ICA京都創設の⽬論⾒です。
残念ながら、ICA京都は、COVID-19パンデミックにより国際的な往来が困難になった時期に船出することとなりました。ネットを介した情報交換のみならず、異⽂化に⾝体ごと⾶び込んでの体験が重要だと考えているわれわれにとっては、逆境と⾔わざるを得ません。しかし、状況が好転するのをただ待っているだけではいけない。⼤学院グローバル・ゼミやICA京都のプログラムとして引き継ぐ公開講座グローバル・アート・トークは対⾯形式にネットを介した遠隔形式を加えて進⾏中です。そしていま、「Realkyoto」も組み込んだICA京都のウェッブサイトを⽴ち上げ、国際シンポジウムや国際展などの本格的活動が可能になる時に備えて、助⾛を始めようとしているのです。
たんなるジャーナリスティックな情報でも、アカデミックな論考でもない、グローバルなアート・シーンの具体的現実にアクセスし、またそれについて深く考えたいと思っているすべての⼈に注⽬していただければ、そして積極的に参加していただければ幸いです。
スタッフ
ICA京都
- 所⻑
- 浅⽥彰(批評家、京都芸術⼤学教授)
- 副所⻑
- 中⼭和也(アーティスト、京都芸術⼤学教授)
- 顧問
- ⽚岡真実(キュレーター/森美術館館⻑、京都芸術⼤学客員教授)
- Realkyoto Forum 編集⻑
- ⼩崎哲哉(ジャーナリスト/アートプロデューサー、京都芸術⼤学教授)
- レジデンシーズ・コーディネーター
- 石井潤一郎(アーティスト)
- プログラム・ディレクター
- 大坂紘一郎(キュレーター、京都芸術大学准教授)
- プログラム・オフィサー
- 都留ドゥヴォー恵美里(美術史研究者、京都芸術大学准教授)
ウェブサイト制作
- アート・ディレクター
- ⾒増勇介(ym design代表)
- デザイナー
- 関屋晶⼦(ym design)
- アシスタント・デザイナー
- 岡⽥摩耶
- ウェブ・ディレクター
- 中本真⽣(UNGLOBAL STUDIO KYOTO)
- ウェブ・デベロッパー
- 桐⾕典親(FLAM)
- 英訳
- パメラ・ミキ・アソシエイツ