ICA京都|はじめての海外グループ・スタディ・ツアー2026[マレーシア編/パイロット版] 参加者募集のお知らせ
2026.01.07
ICA京都|はじめての海外グループ・スタディ・ツアー2026[マレーシア編/パイロット版]参加者募集
ICA京都「はじめての海外グループ・スタディ・ツアー」は、海外渡航経験が少ない、あるいはこれまで国外を訪れたことがない学生を主な対象とした、短期集中型のグループ・スタディプログラムです。2025年度はパイロット版として、東南アジアの一国であるマレーシア(ペナン、イポー、クアラルンプール)にみんなで訪れます。現地の文化施設やアートスペース、地域コミュニティを巡りながら、実際に「見て」「聞いて」「食べて」「歩いて」、そして参加者同士や現地の人々と対話することで、土地に根ざした文化や社会のあり方を総合的に体験します。そうした身体的な経験を通じて、アートが社会とどのように結びつき、どのような文脈の中で生まれ、そして身近な環境のそれとどのように異なるのかを考える機会になれば幸いです。
また本プログラムは、作品制作を目的とするものではありません。観察すること、問いを立てること、対話を重ねることを重視し、異なる文化や歴史、価値観に向き合うための導入的な学びの場として設計されています。海外を「遠い場所」として眺めるのではなく、自分自身の問題として引き寄せ、今後の学びや実践につなげていけることを目指します。
なぜマレーシアなのか?
マレーシアは、多民族・多宗教社会として知られ、東南アジアの中でも複雑で重層的な歴史的背景を持つ国です。交易、植民地支配、移民の流れといった複数の歴史的要因が絡み合いながら形成されてきた社会構造は、現在の都市の姿や人々の暮らしの中にも色濃く反映されています。本ツアーで訪れるジョージ・タウン(ペナン)、イポー、クアラルンプールは、それぞれ異なる成り立ちと役割を持つ都市です。港町として発展してきたペナン、鉱山都市としての歴史を背景にもつイポー、そして首都として急速な近代化と多様な文化が交錯するクアラルンプール。これらの都市を巡ることで、マレーシア社会の多層性や地域ごとの違いを、より立体的に捉えることができます。
また、日本とマレーシアは第二次世界大戦期の歴史を通じて大きく関わりを持っており、当時の出来事やその記憶は、現在の東南アジアと日本との関係を考える上で一つの背景となっています。こうした歴史を、現地での語りや街の空気に触れながら捉え直すことは、国際的な文化交流を考えるための重要な視点を与えてくれるかもしれません。
最後に、マレーシアでは、マレー系、中国系、インド系をはじめとする多様な人々が共に暮らしており、マレー料理、中華料理、インド料理、ニョニャ料理などが日常の中で自然に並び立っています。街を歩けば、さまざまな匂いや味が混ざり合い、文化の違いがごく当たり前の風景として立ち上がってきます。難しく考えなくても、まずは「おいしそうだから来てみる」——そんな入口から、この環境を体感してもらえたらと思います。
引率者
金井美樹: 芸術文化研究者。アート・ジャーナリズムを通じて現場を記録・分析し、その実践的知見を研究に結び付ける。約20年間ベルリンを拠点に、欧州20か国以上のアート現場を取材。現在はマレーシアを拠点に、研究・執筆に加え、展覧会やワークショップの企画にも関与する。堤拓也: ICA京都プログラム・ディレクター/京都芸術大学准教授。展示空間の構成だけに限らず、パフォーマンスを含む1回的な体験機会を生み出す一方で、アジアを中心とした非制度的な実践に関心がある。辛いものを食べると額から汗が止まらない性質あり。
小宮太郎: 1985年神奈川県生まれ。2016年京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術専攻(博士)修了 。滋賀県大津市にてシェアスタジオ「山中suplex」メンバー。絵画や写真作品をはじめ、回転するオブジェや、空間を利用したトロンプ・ルイユ(Trompe-l’œil、騙し絵)的なインスタレーション作品などを制作する。
協力:Blank Canvas(ジョージタウン、マレーシア)
実施概要
グループ・スタディ・ツアー先: ジョージ・タウン、イポー、クアラルンプール(マレーシア)開催日時: 2026年3月6日(金)―12日(木)(6泊7日/うち、機内で1泊含む)(予定)
対 象: 京都芸術大学に通学部に在籍する学部生、および大学院生 計5名程度
参加費用: 渡航券代・現地食費を参加者が実費負担(ICA京都が現地移動費、宿泊費、海外保険を負担)
成果発表: 帰国後に報告会やレビュー執筆等を予定(参加者全員で相談して決定)
参加にあたって①: 「みんなで行くはじめての旅行」を通じて、東南アジアの一つであるマレーシアの芸術や文化、歴史について身をもって経験するというプロジェクトになります。参加者には、アートだけでなく現地の社会や歴史について向き合い、日本国内で芸術を学んでいる学生として、今後の世界との関わり方について考え直す姿勢が求められます。
参加にあたって②: ICA Kyoto Journalに寄稿されている金井美樹さんの特集記事「交錯:東南アジアをめぐる思索」を事前に読むこと。
・歴史を手繰る芸術の身ぶり ①東南アジアをめぐる記憶
・歴史を手繰る芸術の身ぶり ②マーク・テ/ファイブ・アーツ・センター
・歴史を手繰る芸術の身ぶり ③アイン
応募方法
応募方法: こちらにリンクのGoogleフォームからご応募ください。※瓜生山学園のGoogleアカウントからアクセスください。
応募締切: 2026年1月19日(月)17:00
応募にあたっては必ず以下の資料を確認ください。
海外グループ・スタディ・ツアー資料
選考方法・スケジュール
選考方法: 応募フォームに記載された内容をもとに書類選考を行い、必要に応じて面談(対面)を実施したうえで、参加者を決定します。※語学力や海外経験を重視する選考ではありません。
選考スケジュール:
書類審査結果発表: 1月22日(木)
面 接: 1月27日(火)※対面を予定
最終審査結果発表: 1月28日(水)
顔合わせ&航空券取得ミーティング:2月2日(月)※時間は追って調整
旅程(すべて予定):
1日目 [3/6] 関西空港集合・出発、ペナン国際空港に到着(宿へ直行)
2日目 [3/7] アート関係者との交流、市内文化施設・アートスペース訪問、アート関係者とのディナー
3日目 [3/8] アート関係者との交流、市内文化施設・アートスペース訪問
4日目 [3/9] イポーに移動[早朝]、市内文化施設・アートスペース訪問、アート関係者との交流
5日目 [3/10] クアラルンプールに移動[早朝]、市内文化施設・アートスペース訪問、アート関係者との交流
6日目 [3/11] 市内文化施設・アートスペース訪問、クアラルンプール国際空港より出発[夕方以降](機内泊)
7日目 [3/12] 関西国際空港到着
よくある質問(FAQ)
Q:どのように応募すればよいですか?A:指定の応募フォームに必要事項を記入のうえ、ご応募ください。
応募フォーム内では、関心のあるテーマについて記入していただき、あわせてポートフォリオ、またはこれまでの研究・制作・活動を紹介する資料をアップロードしてください。
※形式はPDFなど、一般的なファイル形式で問題ありません。
Q:参加するために、特別な準備は必要ですか?
A:必須の準備はありませんが、ご自身の関心のあるテーマに関連する事前リサーチを行っておくことで、海外グループ・スタディ・ツアー中の体験や学びがより充実したものになると考えています。
Q:海外グループ・スタディ・ツアー中に観光は可能ですか?
A:海外グループ・スタディ・ツアーは、原則としてプログラムで定められた旅程に沿って活動します。ただ、その前後の日程については、自己負担・自己責任にて観光を行うことが可能です。
Q:参加者の選考基準は何ですか?
A:応募書類をもとに、応募者の関心や学びたいテーマ、アートやデザインに対する意欲を重視して選考を行います。海外渡航経験の有無や語学力そのものは、主な選考基準ではありません。
Q:参加者は英語を使うことが求められますか?
A:現地の方とのコミュニケーション(ホテル滞在時などを含む)では、英語を使用する場面が多くなると想定されます。流暢な英語力は必須ではありません。翻訳アプリなどを活用しながら、積極的にコミュニケーションを取る姿勢を大切にしてください。
Q:海外グループ・スタディ・ツアー後に成果物の提出は求められますか?
A:はい。海外グループ・スタディ・ツアー後には、現地での記録や体験、そこから得た学びを報告会やテキストの形でまとめ、参加できなかった学生たちに共有していただく予定です。ただし、その方法は参加者全員で相談して決定する予定です。
Q:ツアー中の食事はどうなりますか?
A:食事は、主にレストラン等を利用し、各自での実費負担となります。
Q:飛行機に一人で乗ることが不安なのですが、どうしたらいいですか?
A:はじめて飛行機に一人で乗ることに不安を感じる方も多いと思います。本プログラムでは、航空券の購入から一緒に行い、できるだけ安心して参加できるようサポートします。また、往路については関西国際空港で集合し、引率者とともに出国することも想定しています。
Q:飛行機の利用経験があるため、現地集合・現地解散でも問題ありませんか?
A:はい、海外渡航や航空機の利用に十分な経験がある方については、現地集合・現地解散も可能です。その場合、航空券の手配や空港での手続き、移動については自己手配となります。現地集合・現地解散を希望される場合は、応募時または参加決定後に必ず事前にお知らせください(保険期間の調整が必要)。
Q:途中合流・途中離脱は可能ですか?
A:原則として、途中合流・途中離脱はできません。本プログラムは、参加者全員で同じ時間と経験を共有することを重視しており、安全管理やプログラム運営の観点から、全行程への参加を前提としています。やむを得ない事情がある場合は、事前にご相談ください。
Q:保険や緊急時の対応はどうなっていますか?
A:参加者全員について、大学にて海外旅行保険に加入します。この保険は、病気やケガ、事故、緊急時の対応などを想定した保険となっており、海外グループ・スタディ・ツアー中のリスクを幅広くカバーします。万が一、現地でトラブルや体調不良が発生した場合には、引率者および大学が連携して対応します。
Q:ツアー期間中に特別心がけることはありますか?
A:このツアー中は、イスラム教徒にとってのラマダン(断食月)にあたります。マレーシアは国民の約6割がイスラム教徒と言われており、ラマダン期間中、イスラム教徒の方々は日の出から日没まで飲食を控え、信仰に基づいた生活を送っています。ツアー参加者には、日中の公共の場での飲食を控えるよう心がける、無理に断食を体験しようとしないなど、現地の生活習慣に配慮した行動が求められる場合もあります。異なる宗教や生活のリズムに出会い、それを尊重しながら過ごすことも、本プログラムの重要な経験の一つです。
お問合せ
info-icakyoto@office.kyoto-art.ac.jp