PROGRAMRESEARCH FELLOWS

ICA京都
特別研究員⼀覧

Christine Cheung

  • 国籍 :

    カナダ

  • 活動拠点 :

    ベルリン、ドイツ

  • 受入年度 :

    2023年度

研究テーマ :

景観が日本文化にどのような影響を与えてきたかに焦点を当てる。日本庭園の歴史と現在の用途を研究し、環境や場所が個人や文化的集団の記憶に果たす役割について探求する。

概要 :

2016年に台湾を訪れた際、日本庭園に出会い、そこで日本出身の建築家について学んだ。その日本の建築家は母国を離れていたため、伝統的な建築デザインを改変していた。このように文化のギャップや場所の影響を受けるなど、アーティストの柔軟性のあるユニークに表現された作品に興味がある。

環境との関係に基づいた作品を頻繁に制作し、現象学的なアプローチで日本庭園を研究することで、様々なメディアを用い、観客と作家の境界線を曖昧にすることを目指している。絵画に似た瞑想の空間として、鑑賞者と空間的・触覚的な関係を作り出す日本の庭園に触発され、場所の物理性と、より儚い心の風景を結びつけることに興味を抱いている。 文化的な記憶やこれらの地形から連想される要素を集めることで、風景に対する感覚がどのように活性化されるかを探る。

  • 国籍 :

    中国

  • 活動拠点 :

    京都、東京

  • 受入年度 :

    2023年度

研究テーマ :

私の研究は、さまざまなアジア諸国から登場する新興のクィアアーティストに焦点を当て、その芸術作品がアジアのコンテクストにおけるクィアコミュニティの現状を生き生きと表現し、同時に、三人の西洋の哲学者、ミハイル・バフチンの「奇怪な肉体」、ミシェル・フーコーの「監視と罰」、ジュディス・バトラーの「ジェンダーの実践性」という理論に言及しながら、アジアの視点からクィアの具現化を分析します。

概要 :

「クィア」という言葉は元々「奇妙/変わっている/特異/奇抜」を意味しましたが、その意味は徐々に中立化され、異性愛者またはシスジェンダーでないLGBT+コミュニティを包括する傘用語として拡張されました。そして、「クィア」の理論化の過程で、その概念は「正常性」(異性愛主義の正常性)を問い、挑戦するための開かれた抵抗の中核的精神として拡大されました。開かれた抵抗の中核的精神を基盤に、この研究はアジアのいくつかのアーティストによる奇怪で異常な写真画像から始まり、抑圧の意味で社会的規範を調査し、疎外されたアジアのクィアコミュニティを日常的な開かれた抵抗として、通常から乖離した非伝統的な美学を適用して、アート写真によって描写し、表現します。

Pierre-William Fregonese

  • 国籍 :

    フランス

  • 活動拠点 :

    神戸、京都、東京

  • 受入年度 :

    2023年度

研究テーマ :

私の研究の目的は、21世紀の日本社会における社会の変遷の影響を踏まえ、「日本人らしさ」の描写にまつわる文化的関心を探求する顕著な例として、新海誠監督の芸術を検証することです。別の言い方をすれば、新海誠監督の美学は、国内外における現在の日本人のアイデンティティを解明し、開示し、形成しています。

概要 :

新海誠のアートは、イメージ、物語、アニメーション、イマジネーションを組み合わせ、社会規範の進化、現代の不安、地理的不平等、そしてそれらが日本のアイデンティティ言説に与える影響を探求しています。これらの課題は、社会の「団結」に大きな脅威をもたらし、反動的な動きを誘発し、憎悪に満ちたレトリックを復活させ、ソーシャルメディアによってさらに悪化させていると見えます。彼の映画は、想像上のモデルと現実を対比させるプラットフォームを提供し、サブグループやサブコミュニティ、特に日本人女性が遭遇する危機に立ち向かい、克服するための最先端の方法を示しています。このような作品の分析を通じて、従来のコミュニティが劣化しつつある社会における「日本人らしさ」の概念を再考し、再構築することが可能であると考えます。最終的には、これらの映画における日本人アイデンティティの再象徴化が、外国人アイデンティティの再象徴化にいかに直接的な影響を与えるかを強調することが不可欠となります。

  • 国籍 :

    韓国

  • 活動拠点 :

    東京

  • 受入年度 :

    2023年度

研究テーマ :

東九条マダンのリサーチを通して京都におけるマダン劇の歴史について

概要 :

マダン劇は、韓国の伝統的な仮面劇であるタルチュムを継承した上演形式として、1960〜80年代の民衆文化運動の現場を中心に展開されました。日本におけるマダン劇は、1980年代以降、在日コミュニティの間で様々な形で上演が行われるなど、コミュニティ、多文化共生、地域問題に取り組んできました。しかし、そうした日本におけるマダン劇の芸術実践的および歴史的価値についてはあまり検討が行われてこなかったのです。私の研究は、京都におけるマダン劇の精神および表現形式をリサーチすることで、日韓の間で民衆の在り方を描いてきたマダン劇の現代的意味を探求するものです。