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江之浦連歌
有時庵(磯崎 新)+呆気羅漢(杉本博司)
解説:浅田 彰

2020.03.31
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江之浦連歌
有時庵(磯崎 新)+呆気羅漢(杉本博司)



2019年の冬至――正確にはその前日の12月21日、磯崎新と私は杉本博司の江之浦測候所で日の出を見た。そのとき私の撮ったスナップショットを送ったところ、磯崎新が発句を添えて送り返してきた、それに杉本博司が下の句をつけて連歌(連句)のように仕立てたのが、ここに掲載する「江之浦連歌」である(それを踏まえ磯崎新が短歌から俳句に戻って仕立て直した単独作品――短歌的叙情の再切断?――も最後に添付する)。本来の連歌の巻き方とは違い、連歌の規則も無視しているので、「連歌もどき」というべきだろうが、冗談めかした手遊びの中に両者のヴィジョン(とくに日本的伝統に関わる)が垣間見られる興味深いドキュメントなので、京都市京セラ美術館での杉本博司の「瑠璃の浄土」展に際し、とくに許可を得てここに公開する次第である。

(浅田 彰)

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