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江之浦連歌
有時庵(磯崎 新)+呆気羅漢(杉本博司)
解説:浅田 彰

2020.03.31
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へたに発句(連句)をもじりました。冬至光が季題にあるかどうか知りません。山上宗二を想いだしたのはMOA美術館で虚堂智愚の墨蹟をみたときです。この「虎丘十詠」を宗二がみていたかどうかわかりませんが、彼の所有した他の虚堂は国宝です。シチリアにある半円劇場は、背景は海ですが、地形的にはセジェスタ神殿が測候所にもっとも近い。棟梁の持つ杖、気に入りました。鳥打帽が似合うのではないですか。

有時庵(磯崎 新)


冬至光


冬至光とうじこう 玻璃はり台で舞うは *1細男せいのお


冬至光 流浪する *2宗二も眺めし 海景色


冬至光 影向する *3鹿島の神の 御旅所


冬至光 *4セジェスタに 至現ヒエロファニイする*5ポセイドン


冬至光 ステッキで連歌*6巻く わが宗匠杉本博司




*1 「おんまつり」で奉納される海人の踊り

細男(春日若宮おんまつり)


*2 山上宗二は小田原で秀吉から鼻耳そぎの刑で殺された

千利休の弟子、宗二(1544-1590)の遺した『山上宗二記』


*3 鹿島から春日大社まで移動する途中にこの地(測候所)に留まった

 


「鹿島立神影図」
春日大社蔵


*4 シチリア島のプレドリック神殿、ここに附属する半円形劇場は海が背景

セジェスタ劇場


*5 ギリシャ神話の海神

ポセイドン
Poseidon from Milos, 2nd century BC (National Archaeological Museum of Athens) Photo by Ricardo André Frantz


*6 連歌は巻くという

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